キコ・アルグエヨの交響曲トマーシュ・ハヌス指揮・新求道共同体オーケストラによる演奏
2025年聖年
2025年6月1日(日)19時より、エンニオ・モリコーネ音楽公園オーディトリアムのサンタ・チェチーリア・ホールにて、キコ・アルグエヨが「交響曲作品」を発表いたします。これは「聖年の家庭の祝祭」に合わせて行われるコンサートで、アイスランド交響楽団の指揮者であるトマーシュ・ハヌスが率いる新求道共同体オーケストラが、キコによる二つの交響作品「罪のない人々の苦しみ(La Sofferenza degli Innocenti)」と「メシア(El Mesías)」を、同じ夜に初めて演奏いたします。
スペイン人画家であり、カルメン・エルナンデスと共に新求道期間の道を創始したキコ・アルグエヨは、世界中で数々の重要な絵画、建築、彫刻作品を手がけ、その芸術的召命を、教会と典礼に奉仕するために捧げてきました。神の光の反映としての宗教芸術を通して表現される絵画、そして力強く神秘的な霊的言語である音楽を通して、キコは現代の人々に福音をのべ伝える道を見出しています。このように、芸術はキコにとって、美の表現であり、神との愛の関係の手段であり、新しい福音宣教に奉仕するものとなっているのです。
この2025年の大聖年にあたり、福音宣教省の後援のもとに開催されるこのイベントは、家庭にとっての祝祭となるでしょう。世俗化が進み、無神論に脅かされ、社会や文化、価値観、倫理的・宗教的原則が危機に瀕しているヨーロッパにおいて、そして多くの紛争による苦しみに傷つけられた現代において――キコ・アルグエヨが2022年、430の家庭の宣教派遣に際して教皇フランシスコとの謁見で語ったように――「現代では、神は、ナザレの聖家族にならって、まだ神の愛を知らない人々にその喜びをもたらすために家庭を召し出しておられる」のです。家庭とは、神の崇高な芸術作品であり、教会の中におられるキリストの美しさを世界に示すものなのです。
キコの芸術作品や著作は、人間の霊を神へと高めることを助ける、新しい美学の表現です。。そして彼の音楽もまた、特別な方法で、霊の深いところに響き、神の美の神秘へと導く感情を呼び覚まします。こうして、霊感を受けたこの音楽芸術は、苦しみに打たれながらも自分の超越的な目的に憧れる人間の心に希望を注ぐものとなります。

「罪のない人々の苦しみ」は、キコが初めて作曲した交響曲で、五つの楽章から成り、御子が殺されるのを見つめる聖母マリアの苦しみに焦点を当てています。緊張感に満ちた瞑想的な作品であり、大胆なオーケストレーションと簡素な歌唱が、キリストの母の魂を貫く苦しみの神秘を深く黙想する助けとなります。
この作品は、2011年に聖地のドムス・ガリラヤ(コラジム、真福八端の丘)で初演され、その後、世界各地の主要な劇場、コンサートホール、広場、大聖堂で演奏されてきました。演奏された場所には、マドリード大聖堂、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、シカゴ交響楽団ホール、ベルリン・フィルハーモニー、エルサレムのゲラード・ベハール・オーディトリアム、東京のサントリーホール、ブダペストのハンガリー国立歌劇場、アウシュヴィッツでの追悼コンサート(イタリア国営放送Rai1で放映)、バチカンのパウロ六世ホール、トリエステのイタリア統一広場などがあります。
最初の交響曲を完成させた後、キコは、その作品と連続性を持ち、音楽的構想の結実となる第二の楽曲に取り組み始めました。それは、ピアノ、合唱、オーケストラのために作曲された交響詩「メシア(El Mesías)」の最終稿へと至る、殉教者に捧げられた、キリストの受難と苦しみを描いた三つの楽章から成る作品です。
救いの歴史の三つの場面が音楽によって表現されています。最初は、イサクの犠牲とアブラハムの信仰の神秘を語る「アケダー」。次に、十字架の道行においてキリストが女性たちに語った言葉を響かせる「エルサレムの娘ら」。そして最後に、「勝利するための獅子であるメシアは、苦しむために小羊となった」という四世紀の殉教者ヴィットリーノ・ディ・ペッタウの詩的な言葉を主題とし、キリストの神秘を語る「メシア」。この作品は、2023年11月19日、トリエステのヴェルディ劇場で世界初演され、イタリア国営放送RAI Culturaの音楽・芸術専門チャンネルRAI5にて放送されました。
このコンサートは、137か国でライブ配信され、新求道期間の道の公式ウェブサイトを通じて視聴いただけます。


